第一章 コケ学事始め

苔:
根・維管束がない、茎と葉で出来ている
クチクラ層が発達していない
胞子で増える
苔は通常コケ植物、蘚苔類と云う
蘚類、苔類、ツノゴケ類がある

卵と精子を作る
有胚植物(胚を作る植物)、二倍の染色体を持つ
わたしたちが見てるコケ植物は配偶体世代

染色体を一組だけ持っていて精子や卵をつくるものを配偶体、一方染色体が二組あって胞子をつくる世代のことを胞子体といいます。コケ植物では配偶体が、シダ植物では胞子体が、私たちがいつも目にするものなのです。裸子植物種子植物でも事情はシダと同じで、木や草はすべて胞子体世代です。そして維管束というのは胞子体だけに備わった器官なのです。

蘚苔類は単系統ではない!らしい

雌雄異株の場合、受精は必ず異なる個体間で起こることになりますが、同株のときに問題となるのが自家受精です。自家受精すれば相手がなくても胞子体をつくることができる利点があります。そのため、高等植物では自家受精する種がたくさん知られています。ところがコケ植物の場合は特別な問題が生じるのです。それは、コケ植物が半数体植物であって、通常の体細分裂によって卵と精子がつくられるため、卵も精子もすべて遺伝的には同質だからです。これは高等植物の雌雄同株種が自家受精するのと意味が少し違うのです。もしコケ植物において自家受精によって遺伝的に同質な卵と精子が受精すると、有性生殖が本来果たすべき役割、つまり遺伝的に異なる卵と精子が出会って親とは性質が少し異なる子孫をつくる機能が働かないことになってしまいます。(中略)野外での観察によると、雌雄同株種のほうが異株種よりもはるかに胞子体をつけている頻度が高いようです。このことから判断すると自家受精は例外的な現象ではなく、ごく普通に起こっている現象だろうと思われます。

矮雄という現象がある

苔の話―小さな植物の知られざる生態 (中公新書)

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